SELFISH NIGHT

 


「アンジェ…」
「あん…」
 アリオスの大きく繊細な指先が、肌蹴た制服に侵入して、彼女の肌に触れるたび、熱が生み出されてゆく。
「おまえの肌は…、やっぱりすべすべだ・・・」
 くぐもった声で耳元で囁きながら、アリオスはアンジェリークの耳の渦巻きを舐めた。
「や…ん」
「アンジェ、可愛い…」
 いつもより息遣いが荒い彼に、アンジェリークは息を乱しながらも、眉根を寄せた。
「えっ、あ…、これってやっぱり…身体に悪いんじゃ…」
「黙ってろ…」
 彼女の言葉を飲み込むかのように、深く唇を重ねる。
 唇はいつもの彼のそれよりも少し熱い。
 やはり、熱があるからだろうか。
 だが彼の舌の動きに、以降が徐々に麻痺してしまう。
 舌で強引に彼女の唇を割り、アリオスのそれは彼女の口腔内に入ってきた。
 巧みにその中を愛撫しながら、彼女の熱を煽る。
「はあ・・・」
 時々漏れる甘い吐息。
 その声は、彼を益々高まらせてしまう。
 歯の一本一本を愛撫され、、くまなく味わい尽くされる。
 ようやく唇を離されると、アンジェリークの息はかなり上がっていた。
「おまえの身体で、俺の身体を少しずつ癒してもらわなきゃな?」
「やだ・・・・・・」
 恥ずかしそうに両手で顔を覆う彼女に、アリオスはフッと優しい微笑を浮かべると、手をゆっくりと顔からどける。
「こら? 今日は俺の"わがまま"をきいてくれるんじゃなかったか? だったら、顔を見せろよ? おまえの表情は、"薬"だ…」
「そんなときだけ病気を持ち出す…」
 泣きそうになりながら、アンジェリークは彼を恨めしそうに見つめた。
「おまえだって、俺が元気なほうが嬉しいだろ?」
「俺はそうだけど…」
「だったら、な?」
「あ・・・ああんっ!」
 反論をしようとして、彼がそのまま首筋に顔を埋めてきたので、彼女の言葉はかき消されてしまう。
 アリオスは、まるで彼女から命を食むかのように、深く首筋に吸い付き、痕をつけてゆく。
 ぞくりと背中に走った甘い旋律に、アンジェリークは身を捩じらせた。
「はあん」
 そのまま酒匂を舐め上げられると、今度は胸に手がかかった。
「フロントホック。合格」
「何…」
 肌蹴た制服が彼によって脱がされる。
 する塩衣擦れの音がして、アンジェリークは全身を桜色に染め上げる。
 彼は彼女の白い肌を満足そうに見つめると、制服を脱がしてゆく。
 ブラウス、スカート、靴下。
「はあん」
 脱がすたびに彼はその部分にキスの雨を降らせ、全身が赤い痕でいっぱいになる。
「綺麗だ…」
「はあん…」
 彼女を生まれた姿に舌痕、アリオスはその姿に暫し見惚れた。
 ブラインドを通してはいる夕方の日差しが、彼女の白い体を黄金に染め、余りにもの美しさに、アリオスは見惚れた。
「あっ…」
 身体を抱きしめて見せないようにする彼女の腕を、しっかりと彼は握って阻止をする。
「アリオス…、お願い…、余り見ないで…、恥ずかしいから…」
「ダメだ! 今日は俺の言うことは聞いてもらう…」
「もう病気じゃないでしょ?」
「おまえを抱いたら、直るの…」
 またまた理屈を突きつけられて、アンジェリークは袋小路に追い込まれてしまった。
「な、綺麗なもんは隠さない」
「アリオス…」
 彼は、異色の眼差しに情熱的な光を浮かべ、じっと見つめる。
 何度見ても飽きなく、美しいと思える彼女の裸身は、一級の芸術品よりも、素晴らしいとアリオスは思う。
「ああん」
 その眼差しだけで、身体が火照ってしまう。
 視線だけで、ここrも身体も潤んでしまう。
 体の奥から甘い戦慄が漏れてきて、それを隠すようにアンジェリークは膝をこすり合わせた。
 くちゅり----
 淫らな水音が響いて、アリオスは意地悪な微笑に浮かべた。
「ああっ」
「準備は出来てるみてえだな?」
「やだ…」
 彼は白い胸に手を伸ばす。
 フルりと誘うように白い熟していない果実が揺れた。
「アリオス…」
「大きくなったな? まあ、俺が大きくしてやってるんだけどな?」
「も、ばか!!」
 彼女の可愛い抵抗にも彼は笑って、そのままゆっくりと円を描くように豊かな胸を揉みしだく。
「ああ・・、ああ」
 彼に揉みこまれるたび、全身が粟立つ。
「大きくしてやるぜ? もっとな?」
「あああん!」
 ついっと、薔薇色の蕾をつねられて、アンジェリークは身体を仰け反らせた。
 指だけで、蕾を尖らせたり沈み込んだりさせて、彼女の甘い感覚を引き出してゆく。
「あんっ!」
 白い胸に彼が顔を埋めれば、彼女は、首を深く仰け反らせて喘いだ。
「アリオス!! アリオス!!!!!」
 舌で先端を刺激された組に転がされ、時には強く吸い上げられる。
 左右の蕾を幾度も交互に愛されながら、手が彼女の胸を力強い動きでかき回した。
「はあ、ああ、ああっ!」
 しどけなく乱れる彼女は、綺麗な女神にアリオスには映った。
 アリオスの唇が、キスの雨を降らせながら下へと進む。
 恥ずかしさの余り閉じられたアンジェリークの足を、彼の指先は撫でることだけでいとも簡単に開かせてしまった。
「はあっ!!」
 蜜で光る秘所に彼の唇が口付ける。
 身体に電流が走り、アンジェリークは甘いと息を何度も漏らした。
 彼女の身体からすっかり力が抜けたとき、アリオスは太腿に手を掛けて足を大きく広げさせ、その部分を押し開いた。
「やああんっ!」
 淫らに開き始めた彼女の秘所を、アリオスは舌でこじ開け、真珠を舐め上げる。
「はあああっ!」
 彼女が身体を仰け反らせ、全身で甘い戦慄を呼吸している間も、アリオスは指を彼女の胎内に侵入させて、ゆっくりと彼女の胎内をかき回し始めた。
「はあああああっ!」
 舌と指で攻められて、体の奥を突き抜けてゆく鋭い感覚に、アンジェリークは目眩を覚えた。
「はああっ!」
 淫らに彼が蜜を舐めとる音が響く。
 アリオスの指が徐々に早くなり、蜜が溢れんばかりになると、もう一本新たに指が添えられた。
「あああっ! アリオス!!!!」
 短い閃光が、彼女の脳裏で煌き、アンジェリークは軽い絶頂に達してしまった。


「あ・・・?」
 気がつくと、彼が下にいて、アンジェリークはアリオスの身体の上に乗せられていた。
「ああ。アリオス…」
「アンジェ…、俺が欲しかったら、おまえから来いよ? あいにく俺は病み上がりだからな、おまえに攻め立てて貰いてえんだよ?」
「そんなこと・…」
 彼女は思わず彼の身体から降りようとしたが、彼に阻止された。
「おい。俺の最高の薬は何だか知ってるよな?」
「・・私を…抱くこと・…」
 彼女は消え入りそうな声でそう答える。
「そうだ。だったら、恋人のために人肌ぬごうって気にはならねえのか?」
「でも…」
「俺のわがままきいてくれんじゃねえのか?」
 アンジェリークは仕方なしに頷くと、彼を見た。
「どう・・・するの?」
「ああ。先ずは俺のこの部分に跨れ」
 アンジェリークは顔から火が出る思いをしながら、アリオスに跨った。
「よし。じゃあ俺につけてから、指でおまえの胎内に挿入しろ」
「・・つけるって…」
「これだ」
 掌に置かれたのは麗のもの。
 彼女はそれを乗せられた瞬間、真っ赤になって、涙目で彼を見た。
「アリオス〜」
「それつけねえとやばいことになる。俺はかまわねえが、おまえが困るだろ?」
 彼女は僅かに頷くと、パッケージから取り出して、彼にぎこちなくそれをつけた。
 彼女に触れられることによって、さらに彼は力を増す。
「よし・・・」
 戸惑ったように、アリオスの情熱の証を彼女は手にとると、それを自分の道へと導いた。
「はあああん」
よし、腰を浮かせろ・・・」
 彼に言われた通りにすると、アンジェリークはさらに喘いだ。
「はああっ!」
「そのまま腰を下ろしてゆけ、そうだ…」
 彼女が腰を下ろしてゆくたびに、淫らな水音が響き、彼を締め付けてゆく。
「あああああっ! アリオス!!!!」
 彼を根元まですっぽりと受け入れると、彼女からは嬌声が漏れた。
 その瞬間、アリオスは奥まで強く突き上げ始めた。
「はあ、ああ、あああん!!」
 淫らに腰を動かしながら、彼に突き上げられるたびに、彼女はしっかりと彼を締め付け離さない。

 私は、彼を最も感じることができる、この瞬間がすきなのかも知れない…
 だってこのときは、"世界中の恋人モデルのアリオス”ではなく、私だけの彼だから…

「はあああああっ!」
 疲れるたびに何度も身体を仰け反らせ、全身を麻痺させてゆく。
 思考止まる----
 突き上げられ、揺さぶられるたびに、彼女の身体は快楽のハーモニーを奏でた。
「アンジェ!」
 彼がそのまま熱いものを迸らせた瞬間----
「ああああああああ!!!!」
  激しい身体の痙攣と、アリオスとともにアンジェリークは高みへと飛び立った----


 ようやく気が付いて、アンジェリークは彼をゆっくりと見つめた。
「サンキュ。すっかり風邪は回復だ・…」
「うん・・・」
 彼女はそのままうっとりと彼に縋る。
「じゃあ、今度はもっと、激しいので、俺の疲れを吹っ飛ばしてもらおうかな?」
「あ、やだ、ああんっ!」
 再び組み敷かれ、アンジェリークは甘い声を上げる。

 この晩ゼフェルは、また外泊を余儀なくされた。
 兄とその恋人の為に----




コメント

雰囲気ぶち壊しですみません…。
修行の旅に出ます・…

〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜

ぶち壊しだなんてとんでもない!
ありがとうございます! tinkさま。
これでますます
大阪には足を向けて寝られないですねぇ…。

「わがままが許される日」での
キーワードが『わがまま』だったので
こちらでもそんな風になったら嬉しいなぁ、
と図々しく言ったところ、見事に
リクエストに応えてくださって…。

みなさま、tink隊長に感謝★




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