「大変だね…。お休みの日もお仕事だなんて…」
休日の早朝、仕事に出掛けるアリオスを玄関で見送るアンジェリークが呟く。
「来週は休めると思う。
どこに行きたいか考えとけ」
「え…?
あ、私、別にそういうつもりで言ったわけじゃ…」
彼の仕事に曜日はあまり関係ない。
それには納得して付き合っているのだ。
困ったわがままを言うようなコだとは思われたくない、と慌てて首を振った。
「わかってる」
そんな彼女のしぐさはとても愛らしい。
そして少女の癖のない髪を梳きながら苦笑する。
「どこでもいい。連れてってやるよ」
「ありがと。考えとくね」
「礼ならこっちの方がいい」
そう言うなり、アンジェリークの顎を取り、唇を重ねた。
「アリオス!」
「見送りにはつきもんだろ。…行ってくる」
「もぉ…行ってらっしゃい」
新婚カップルばりの行為に顔を赤らめながら、アンジェリークはアリオスを送り出すのだった。 「やべ…」
仕事場に着き、準備をしていたアリオスはポツリともらした。
「エルンスト、わりィ。忘れ物、取りに行ってくる」
「もう時間がありませんよ」
皆さん準備できています、とぴしりと言い放つ。
「全く、昨日持ち帰ったりするからですよ」
「はいはい、俺が悪かったよ」
反省の色が見えないアリオスに、私が取りに行きますから、とばかりにエルンストは
外へ出ていこうとした。
「行って帰ってくる時間がもったいない。時間ねーんだろ?」
そして携帯を取り出し、相手が出るのを待つ。
アリオスはコール音が途切れた瞬間に話し出した。
「ゼフェル、今から言う場所にバイクで荷物持って…アンジェリーク?」
なんでお前がゼフェルの携帯に出るのだ、という声で恋人の名を呼ぶ。
「あの、ゼフェル…リビングに携帯忘れて遊びに行ったみたいなの。
着信見たらアリオスからだったから、私が出ても平気かな…て」
状況を説明されて、内心アリオスは舌打ちをする。
(使えねーやつ……)
「兄弟そろって忘れ物?」
ふわりとした声に、受話器の向こうの柔らかな笑顔が想像できる。
「私が届けに行こうか?
もう片付けも終わって帰ろうかなって思ってたし」
「………。…じゃあ頼む」
気が進まない、といった様子で荷物の場所と行き先を伝えるアリオスに
アンジェリークは不思議に思ったが、敢えて聞かなかった。
「え…と…南口でよかったんだよね……」
しばらくして大きな駅の改札口付近でアンジェリークはきょろきょろとまわりを見渡した。
この街はいつも混んでいる。
待ち合わせた人を探すだけでも一苦労なのに、
顔も知らない人を見つけるのは大変だ。
アリオスの話だときっちりとスーツを着た真面目そうな男の人が
迎えに来てくれるらしいが…。
アンジェリークは相手が見付けやすいように、目印となる黒字に銀のブランド名が
プリントされた紙バッグを胸に抱いた。
そして数分後。
「お待たせしました。
アリオスから聞いていると思いますが、お迎えに来たエルンストです」
「あ、ありがとうございます!」
助かった、と言わんばかりにアンジェリークは微笑む。
そして隣にいた男に頭を下げる。
「ごめんなさい、用事があるから…」
少し離れた所に止めた車に乗った後、運転席に座るエルンストに改めてお礼を言った。
「ありがとうございました、エルンストさん」
「…先程の男性は?」
お友達では? と聞くエルンストにアンジェリークは少し躊躇った後に答えた。
「…お迎え待ってたら…その…遊びに行こう…て知らない人が…」
「………」
要するにナンパされていたのだ。
「あ、それより、よく私だって分かりましたね」
目印を持っていかにも待ってます、という感じで一人で立っているならともかく、
2人で話をしていたのだ。
話といってもアンジェリークが一生懸命、断っていただけなのだが。
「見付けにくかったんじゃ…」
申し訳なさそうにする彼女にエルンストは自然と優しい笑みを浮かべた。
「大丈夫です。すぐに分かりましたよ。
彼の言った通りでしたから」
「アリオスが…なんて?」
今を遡ること数十分前…。
アンジェリークとの電話を切った後、アリオスは言ったのだ。
「本当は俺が行きたいとこだが、おとなしく仕事しといてやる。
エルンスト、あいつを迎えに行ってくれないか」
「はい、どんな方ですか?」
アリオスは彼女の身長や髪など外見的特徴を説明した後に付け足した。
「どこかトロそうな、おっとりしたやつだ。
で、あそこじゃ5分も待たせれば、男に声かけられてるはずだ」
「はぁ…」
実際、着いてすぐ彼女は声をかけられていた。
デートの場合、大抵待ち合わせをせずにアリオスがアンジェリークを迎えに行くのは
このような理由があるのだが、もちろんそれを知っているのは彼だけである。
「…特別美人ってわけじゃねーのに人を惹きつける。
まして押せば流されてくれそうな雰囲気なんで寄って来るバカが後を絶たない」
彼の珍しい独り言めいた愚痴にエルンストは苦笑する。
「大切な女性なのですね」
そんな会話が交わされていたのだが、アンジェリークにはそれを教えず、目的地まで案内した。
「この奥で彼は仕事をしています」
「この向こう…。なんか緊張しちゃいますね」
「大丈夫ですよ。行きましょう」
扉を開けてまず目に入ったのは眩しいフラッシュの光。
その次にセットの中央、カメラの前にいる彼の姿。
白いシャツに、黒いパンツ。
はだけた胸元には、黒いヒモに羽根をかたどったシルバーがトップにあるチョーカー。
スタジオに入ってきたアンジェリークに気付き、アリオスは営業モードなまま微笑みかける。
といっても一般でいう笑顔とは違い、口の端を持ち上げる程度のものだが。
「………」
「アンジェリーク? どうかしましたか?」
「あ、ごめんなさい。
…私ここにいたら心臓もたないかも……」
赤くなった頬に両手をあて、アンジェリークはその場にしゃがみこんだ。
アリオスの笑顔に驚いたのはアンジェリークだけではなかった。
「アリオス、珍しいじゃないか。思わずシャッター切っちまったぞ」
「うるせーよ。オスカー」
フィルムを交換するカメラマン、オスカーにアリオスは一言で返す。
「あのお嬢ちゃんが人気モデルアリオスの笑顔のモトか?」
モデルとしてのアリオスは笑わない。
ポスターにしろ、CMにしろ、射抜くような鋭い視線にキッと結ばれた口元。
せいぜいあっても『不敵』な笑みだ。
たとえ恋人であろうと『モデルアリオス』の優しい笑顔には免疫がない。
あの反応も頷けるというものだ。
「さぁな。このカットはもう終わりか?」
「ああ、一度休憩を入れよう」
オスカーのその言葉で張り詰めていたスタジオの空気が和んだ。
アリオスは指先で『来いよ』と呼ぶとアンジェリークはパタパタと走り寄ってきた。
頬を上気させ、瞳をきらきらさせているその姿はまるで人懐っこい子犬のようだ。
「アリオス、かっこいい!」
小さな拳を握りしめて感動しているアンジェリークにアリオスはさらりと言う。
「惚れ直しただろ」
「うん!」
聞くほうも聞くほうなら、素直に答えるほうも答えるほうである。
誰もがこの会話を聞き流そうとしたのは言うまでもないだろう…。
スタッフから飲み物を受け取り、座れる場所へ行く2人の後ろ姿を眺めながら彼は話しかけた。
「オスカー、彼女は誰だい?」
「おや、こちらも珍しい…。
あんたが現場に来るなんてな、セイラン」
「気晴らしにね」
「いつからいたんだ?」
「貴重な彼の笑顔のあたりから」
「そりゃ運が良かったな。
あのお嬢ちゃんはアリオスの忘れ物を届けに来てくれたんだ。
どういう関係かは…まぁ想像つくだろ」
まぁね、とセイランは首をすくめる。
「意外だね。というか正直悔しいね。
彼にあんな表情ができるなんて…思いもしなかったよ」
デザイナーである自分とどこか似通った部分をもっている。
それが、セイランが自分のブランドの専属にアリオスを選んだ理由である。
しかし、スタジオの端で、じゃれつく茶色い子猫をかわいがる彼の姿や表情は
自分には持ち得ないものを見せつけられているようで…。
「俺としてはあいつの相手が『お嬢ちゃん』だってコトの方が意外だったな。
確かにあの笑顔は一人占めしたくなるほどかわいいが」
見るからに遊び慣れていそうなアリオスは大人の女性を選ぶと思っていた。
「まぁ、あなたの場合、女性なら誰でも頷けるけどね」
痛い言葉もオスカーにはなんの効果もない。開き直って聞き返す。
「この俺がたった一人の女性を愛するのはもったいないだろう?
悲しむレディーが増えてしまう」
「はいはい、で、今日の撮影はどれくらいかかる?
どうせなら彼女と話してみたいな」
「充分話す時間はあるが…あんまりいじめるなよ?」
タイミングを見計らって、エルンストはマネージャ−としての仕事をしに
二人のところへやって来た。
オスカーへの予定を狂わせたお詫びと、セイランへの挨拶をするために。
そしてこれからの段取りを話し合う。
「はじめるのか?」
そこへ、先程の衣装にロングコートを羽織り、マフラーを手にしたアリオスも歩いてきた。
「そうしたいところですが…まずメイクし直してきて下さい」
エルンストは額を押さえ、スタッフを呼ぶ。
その頬が心なしか赤い。
「口紅つけたまま撮る気ですか?」
アリオスの唇の端にはピンク色がついていた。
「それはそれでイイかもな」
全く悪びれずに涼しい顔で返すアリオスにオスカーも続ける。
「お望みなら撮ってやるよ。
しかし、お前いつから宗旨変えしたんだ?」
「それは僕も気になるね」
「ハッ、言ってろよ。
つまみ食いばっかと食わず嫌いの奴には分かんね−よ」
放っとけばいつまでも終わらなさそうな3人のやり取りは、
エルンストの大きなため息によって中断された。
「全く…いつのまにあんなことを……」
少し離れた場所で直してもらっているアリオスの背中を見て、2度目のため息をつく。
そして次にアンジェリークを見る。
その様子に何かを感じたのか、アンジェリークはエルンストの所へ近づいてきた。
「なにか…?」
「あ、いえ…なんでもありません」
「見えるとこに跡をつけちゃダメだよ」
数秒セイランの顔をきょとんと見つめ、次の瞬間ハッと頬を染める。
「あ、あの…あれは…その……ごめんなさい」
アンジェリークは何か言おうとしたようだが結局謝罪するだけにとどまった。
羞恥心に真っ赤になって俯いている。
しかしそれは長くは続かなかった。
「あの、今日は本当にごめんなさい。
アリオスがマフラー忘れたのは私のせいです」
アンジェリークは真摯な瞳で顔を上げた。
「昨日…アリオスの仕事帰りに待ち合わせてたんですけど…」
昨日の夕方はかなり冷え込んでいた。
仕事をしていたビルのエントランスホールで
寒そうにしている彼女を見て、アリオスは少し待ってろと言い、
仕事で使っていたマフラーを持ってきたのだ。
「私、あれが仕事用だなんて知らなくて…。
しかもまだ大量生産されてない貴重品で代わりがないなんて…」
「いいんですよ、アンジェリーク」
「そうだぜ。
結局お嬢ちゃんが持ってきてくれたってことでチャラだ。いいな?」
「…はい」
「それに、これはアリオスのミスだから」
「ああ、そうだよ。だからお前は気にすんな」
後ろから抱きしめられて、アンジェリークは恥ずかしそうに笑う。
「お帰り、アリオス」
「やっとのお戻りか。はじめるぞ」
オスカーの言葉にアンジェリークはそのまま上を向き、アリオスを睨んだ。
まわりに聞こえないように小声で文句を言う。
「もぉ。お仕事中だからダメって言ったのに。
皆さんにご迷惑かけちゃって…」
しかし、それは逆効果だったようでアリオスは彼女の額にキスをして意地悪く笑った。
「知るかよ。んなこと言ってるとまたその口塞ぐぞ?」
「!」
アンジェリークは慌てて彼の腕から逃げ出す。
「と、とにかくっ、お仕事頑張ってね。
私邪魔にならないうちに帰るから」
「用事がないなら待ってろよ。送ってく」
アリオスはすでにセットに向かって歩き出しながら、アンジェリークに声をかけた。
「ありがと」
アンジェリークも出口へ向かって歩き出していたが、背中越しの彼の言葉に
振り向いてそれは綺麗な笑顔を見せてくれた。
その場にいた男性達全員が見蕩れたのは仕方がないことだろう。
先程の静止していた撮影とは違い、今度はロングコートやマフラーの動きも見せるため、
アリオスはセットの中を歩き回っていた。
そんな様子を遠い出入り口付近の椅子に座ってアンジェリークは見つめていた。
「まさに彼しか目に入らない…といった感じだね」
アンジェリークは苦笑しながら首を縦に振る。
「はい、もう二度と見られないかもしれないし…今しっかり見とかなきゃ…て」
素直すぎる答えにセイランも苦笑する。
「それならもっと近くで見ればいいのに」
「だって、アリオス、気が散っちゃいますよ」
「………」
「気になるか?」
談笑している二人のことを指し、オスカーはカメラを抱えたままアリオスに尋ねる。
「別に…」
バサリ、と振り向きざまコートを翻し、カメラを睨みつける。
「あいつは俺に惚れてるからな」
傲岸不遜、という言葉が実に似合う表情で堂々と言ってのける。
「ただ、セイランがいるならあいつらも来るんだろうな、と思っただけだ」
「ああ…そうだな…賑やかになるな」
彼の動きに合わせてシャッターを切りながらオスカーはうんざりしたように言った。
「仕事が終わってからの到着を祈るぜ…」
「全く2人とも僕なんかに会いに来るより、他にやることあるんじゃないのかい?」
「なーに言ってんの☆
あんたを捕まえるのも立派な仕事だよ」
「そーやで」
「だいたいビジネスの話があってアポとろうとしても、断ってくれちゃうのはそっちじゃない」
「そーそー。せやから俺らがここに来るのも立派なお仕事っちゅうわけや」
アリオスが今日の仕事、ポスター撮りを終わらせ、着替えてくると
アンジェリークの周りには人だかりが出来ていて、ずいぶんと騒がしかった。
遠くにいても良く聞こえる大きな声の持ち主2人はアリオスも良く知っている人物だ。
予想が的中したことをアリオスは知った。
「やっぱり来たな…オリヴィエ、チャーリー」
「全く…それが上司に対する態度? 失礼しちゃう」
ちなみにオリヴィエはアリオスの所属する事務所の社長である。
チャーリーはセイランのブランドに出資している大手企業の社長である。
「アリオス…社長さん二人に向かってなんてこと…」
「あー、アンジェちゃん。社長さんやなくてチャーリー」
「あ、はい、ごめんなさい、つい…。チャーリーさん」
「そうそう、それでえーんや」
「てめー、何言ってやがる」
アリオスは彼から庇うようにアンジェリークの肩を抱き、思いっきり不機嫌そうな顔をする。
「アリオス、オリヴィエが最初に僕らを見た時、なんて言ったと思う?」
追い討ちとばかりにセイランは綺麗に笑う。
「僕の彼女か? それとも新人モデルか? だってさ」
「ったく、お前らふざけンなよ…」
もう今日の仕事は終わった、とアリオスは彼女を連れてその場からさっさと帰ろうとした。
「いいの? ろくに挨拶してないのに」
「いーんだよ、行くぞ」
アンジェリークは残っている皆にぺこりとお辞儀をしてからアリオスに引っ張られていった。
「またおいで☆」
「ありがとうございます」
彼らににっこり微笑む少女の肩を抱き、アリオスは思いっきり、
俺の女だ、手を出すな、という威嚇にも似た視線を送る。
もちろん少女は気付いていない。
本当なら威嚇代わりにそれはそれはすっごいキスを彼らに見せつけてやりたかったのだが…
そんなことをすれば彼女は絶対泣く。
人前でそんなことをすれば絶対に泣かれる。
それだけは避けたい。
結果睨むだけしか出来なかったのだが…あのメンツがそんなことで引き下がるわけがない。
エルンストは、女子高生に手を出すということに彼の道徳心がどう働くかは分からないが、
とりあえず性格的にアンジェリークは彼のタイプだったはずだ。
オスカーは、ただでさえ女性との付き合いが広いのに、一緒に仕事をした女性とは
必ず噂が流れるようなカメラマンだ。
セイランは、基本的に女性は好きではないが、気に入ったなら溺愛するタイプだ。
オリヴィエはあの外見や口調から誤解されやすいが、意外と女の扱いがうまいのだ。
チャーリーは、自分で会社を作り、今やトップ企業の社長。その手腕は侮れない。
そして今日の様子だと、彼らの誰もがアンジェリークを気に入ったように思える。
だからアンジェリークをここへ来させたくなかったのだ、と内心ため息をつくアリオスだった。
車の中、助手席のシートベルトをしめながらアンジェリークは言った。
「アリオス…なんであんなに慌てて出てきちゃったの?」
自分を取り巻く環境に全く気付いていないアンジェリークは首を傾げている。
「お前との時間が長くなるだろ?」
「アリオス…」
とりあえず今は最愛の少女との時を楽しもう、と意識を切り替えようとしたアリオスだが…
彼女の話によって、その計画は崩された。
「あ、そうだ。あのね、オスカーさんが今度この近くにあるカフェに来ないかって」
「んだと?」
いつの間にそんな話をしていたのだとアリオスは眉をしかめる。
「今日ね、私がアリオスと一緒にいた時の写真撮ってくれてたんだって。
他にもアリオスの昔の写真とか譲ってくれることになったから取りにおいでって。
そこケーキも有名だって言ってたの」
すでに餌付けされかかっているではないか。
しかも餌の半分が自分というところがしゃれにならない。
「お前な…。一人で行くなよ?」
「?
うん。じゃ、アリオスも一緒に行こうね」
「………ああ」
彼と向かい合ってお茶を飲むのはあまり、というか絶対嫌だが二人きりにさせるよりはましだ。
そんなアリオスの心は露知らず、アンジェリークは微笑む。
「嬉しい。今度のデートの計画がもうできたね」
いつもふっと空いた時間で会ったり、やっとのことで取れた休みでデートしたりと
なかなか苦労しているのだ。無邪気に喜ぶ彼女は実に可愛らしい。
「とりあえず、今もデート中だろ」
「あ、そっか…」
アンジェリークはアリオスのキスを今度は素直に受けた。
しかし、せっかくのドライブの最中に次から次へと、今度また会いましょう的な
お誘いがあったことが発覚し、アリオスはご機嫌斜めとなるのだった…。
アンジェリークが自分に惚れてるのは自信があるし、また自分も彼女を手放す気はない。
ただ、これからいろいろと苦労が増えるのかと思うと頭が痛い。
そして結局、ゼフェル、なぜお前が届けに来なかったんだ、という結論に至る。
つまり、気の毒なゼフェルはまたヤツアタリされることとなるのだった。
〜fin〜
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