My little Emperor



レヴィアスが姿を現してから、
さすがに婚約者の前で彼女をこき使うわけにはいかなくなったのか
アンジェリークは使用人として働かされることがなくなった。
アンジェリークがレヴィアスを紹介し、彼を一目見てそれなりの人物と判断したおばは
アンジェリーク共々客室を用意すると言い出した。
あまりの対応の違いにアンジェリークは目を丸くしたものだった。
キャロルは最初レヴィアスに見惚れ、そして我に返ったように憎まれ口を叩いた。
「またいつもの手で取り入ったのかしらね」
それでもその口調は二人を認めているようなものだった。
アランもアンジェリークの傍には常にレヴィアスがいるため何も口出しできないようで、
一見平和な日々が過ぎていった。



そして学校も終わり、残すは明日の卒業パーティーのみとなった日。
「アンジェリーク」
「んー?」
アンジェリークは自分に割り当てられた部屋でたくさんの書類を並べながら生返事をした。
「聞く気がないなら別に良い」
「あぁ〜、そんなこと言わないで。
 なに?」
拗ねたような響きに慌てて振り向いて、今では見慣れた長身のレヴィアスを見上げた。
「何を見ていた?」
「今度住むお家。
 予算は私の財産だけだからお屋敷は無理だけど……
 良さそうなところがいくつかあってね」
「本当にここを出るのか?」
お前が望めばまたここで以前のように暮らすことも出来るのに、と彼の表情が語っている。
「うん。だって私が今のお屋敷にずっといるのも居心地悪いし。
 だからと言っておばさま達を追い出すわけにもいかないし」
「おばと従姉とは上手くいかず、従兄に必要以上に好かれるとは
 つくづく不運なやつだな……」
「いいもん。
 レヴィアスを呼び出したおかげで一生分の運は使い果たしちゃったのよ」
呆れたように言うレヴィアスにアンジェリークは頬を膨らませてみせた。
「それに私ね……オスカー様に言われて気付いたことがあったの」
「オスカーに?」
アンジェリークは温かい紅茶を淹れ、レヴィアスにティーカップを渡しながら頷いた。
「あ、そういえばレヴィアスにはオスカー様のこと話してなかったっけ?」
「いや、説明はなくてもいいが……」
水晶球で見た限りアンジェリークに好意を持っていて、
アンジェリークもそこそこ慕っている相手。
それと周囲の噂も聞いていたので、別に今更説明を聞くまでもなかった。
「何を言われたのだ?」
「私がどうしてもここにいなければならない理由があるのか?って……」
アンジェリークはティーカップを両手で持ってその水面に視線を落とした。
「ここは私が育った屋敷だったから……
 ここにいるためには働かないと……そう思って頑張ってたけど…
 別に私がここにいなくちゃいけない理由なんてないかな、って根本的なとこに気付いて」
一言一言探すように語るアンジェリークを見つめながら
レヴィアスは黙って聞いていた。
「私が次期当主になりたいわけでもないのよね。
 誰もいないからそれでもいいかな、と思ってただけで。
 不思議とあの人達がコレット家を継ぐことに文句はないの」
ずいぶんあっさりと「継ぎたい人が継げばいい」と告げる。
「ほぉ……」
「でも卒業するまでの間ならともかく、一生使用人として働くのもなんだか納得できないし……。
 私を慕ってくれる屋敷の人達とお別れするのは寂しいけど
 ここを出たからって会えなくなるわけじゃないし……。
 それなら自分がやってみたいことやりたいな、と思ったの」
「やりたいこと?」
「うん……ちょっと私には無謀かなと思って決心つきかねてたんだけど…。
 レヴィアスが一緒だから……」
ちょっと照れたようにレヴィアスを見つめて微笑んだ。
「今なら頑張れそうな気がする」
「そうか?」
「うん。来てくれてありがとう」
真っ直ぐに見つめられて本当に嬉しそうに感謝を告げられ、
レヴィアスはらしくもなくその笑顔に見惚れてすぐには言葉を返せなかった。
「我も……主となったのがお前で良かったと……そう思う」
「レヴィアス……ありがとう〜」
無邪気に抱きつく少女を受け止めながらレヴィアスは訊ねた。
「それで、お前のやりたいこととはなんだ?」
「お菓子のお店」
「………本気か?」
貴族の令嬢がいきなり商いを始めるというのは前代未聞である。
「なんにもできない私が唯一自慢できるのってお菓子作りなのよ。
 小さい頃から厨房でこのお屋敷のパティシエと一緒に作ってて……
 その人達からもお墨付きをもらってるんだから」
「遊びではないのだぞ?」
「もちろん。
 今後の生活かけて頑張るのよ」
おっとりとした笑顔で頷かれてもいまいち緊迫感がないが……。
「それに私の作ったお菓子食べて喜んでくれる人がいるのは嬉しいし……。
 第一お店の候補もう見つけちゃったもの」
先程並べていた書類の中から一枚を引き抜いてレヴィアスに見せる。
「ここなんか良さそうじゃない?」
「………………」
傍目には新居を選ぶ新婚カップルに見えるのだが……実はそうでもなかったりする。
「本当にレヴィアスが来てくれて良かったわ。
 私一人じゃとてもお店始める勇気は持てなかったもの」
アンジェリークはにこにこと天使の笑顔で悪魔な命令を下した。
「二つ目のお願い事よ。
 レヴィアス、お店手伝ってね」
皇帝であろうとも今は少女の忠実な僕。
拒否権など最初からありはしない。
レヴィアスは大きな溜め息を吐き、先程の言葉にしがたい感情を覚えたことを後悔しつつ呟いた。
「…………前言撤回だ。
 お前が主となったのは人生最大の災難だ」
「なんでよ〜」
「この我に接客業をやらせる気か?」
「ちょっと手伝ってくれるだけで良いの〜。
 接客は私がするから、ね? おねがいっ」


そして至極不機嫌な表情でようやくレヴィアスは口を開いた。
「期限は?」
「?」
「一生手伝うわけにもいかないだろう?」
首を傾げるアンジェリークに当たり前のように言って……。
言った直後にその言葉が小さな棘となって自らに刺さるのを自覚した。
「あ、そ、そうだよね……」
アンジェリークも初めてそれに気付いたと苦笑しながら頷いた。
「じゃあ、最後の願いを叶えてもらう時まで……」
「分かった」
なんとも言えない沈黙が漂って……その空気を破るためかレヴィアスは話題を変えた。
「アンジェリーク」
「な、なに?」
慌てて顔を上げるアンジェリークの前でレヴィアスはぱちんと指を鳴らした。
それはいつも彼が魔法を使う時の仕種。
「受け取れ」
「ふぇ?
 わ……きゃっ…?」
どさどさと落ちてくる包装された箱にアンジェリークは小さく悲鳴をあげた。
「な、なに?」
「明日は卒業パーティーだろう?」
「うん」
「ということは今日はお前の誕生日だろう?」
「覚えててくれたの?」
確かに話の流れでちらりと言ったことはあるが、覚えてもらえていたとは思わなかった。
「両親からではないが……我からの贈り物で我慢しておけ。
 我がお前の誕生日を祝ってやろう」
「我慢、なんて……。
 レヴィアスからもらうのだってすごく嬉しいよ〜。
 大好き、レヴィアス。ありがとう!」
普段は何考えているのか分からないくらい無表情だったり、
怒ってたり(注:アンジェリークが怒らせているのだが)、
難しい顔してることが多いのにほしい時に優しい表情を見せてくれる。
どっちが主だか分からない態度なのに、いつでも気を遣ってくれている。
「開けていい?」
「ああ」
まずは一番大きな箱のリボンを解いていく。
そこから出てきたのは明るい色のドレス。
優しいオレンジや黄色を使った少女らしい可愛いデザインのドレスだった。
「お日様色だぁ。可愛いドレス」
似合うかな、と身体にあててレヴィアスに見せる。
「我が用意したんだ。
 似合うに決まっている」
「ふふ、ありがとう」
他の小さな箱達は靴やアクセサリーなど明日のパーティーに必要なもの一式だった。
「本当にありがとう、レヴィアス」
感激のあまり子供のように抱きついてお礼を言う。
その後にふと思い出したように首を傾げた。
「あれ?」
「どうした?」
「でも……どうやって手に入れたの?
 レヴィアスこっちのお金持ってたっけ?」
「……あまり細かいことは気にするな」
素直に感動してろ、とアンジェリークの栗色の髪をかき混ぜてレヴィアスは苦笑した。





翌日。
日が暮れる頃、スモルニィ学院の大ホールで卒業パーティーは開かれた。
アンジェリークも正装したレヴィアスと一緒にホールへと向かう。
「私、礼儀作法の授業は受けたけど本物のパーティーって初めて。
 楽しみだなぁ」
差し出されたレヴィアスの腕に自分の腕を絡めながら幸せそうに微笑む。
「レヴィアスがエスコートしてくれるのも嬉しい」
やっぱり一人じゃ寂しいものね、と呟くアンジェリークと周囲の人垣を眺めながら
レヴィアスは小さく息をついた。
「お前をエスコートしたがっている男は多そうだがな。
 我がしなくても大丈夫だったのではないか?」
「ええ〜、レヴィアスまでそんなこと言うの?
 でも、私はレヴィアスがいい」
きゅっと腕に抱きつく主人を優しく見下ろしながらレヴィアスは苦笑した。
「言われなくてもちゃんとエスコートしてやる。
 我はお前の僕で婚約者だからな」
「そ、そうよ。婚約者、なのよね……」
アンジェリークが思い出したとばかりに頬を染めた。
「その話広まっちゃったから……皆、レヴィアスのこと気になってるみたい…。
 注目されちゃうかも」
ホールに入る前から人々の視線を集めていたクセに、それに気付かず今更そんなことを
言い出す少女が可笑しくも愛おしい。
「気にするな。お前はパーティーを楽しんでいろ」
レヴィアスは周囲の注目を綺麗に無視して微笑んだ。



「アンジェ!」
「レイチェル、エルンストさん、こんばんは」
「こんばんは、アンジェリーク」
先に会場に入っていた親友に声をかけられ、アンジェリークは二人に挨拶をした。
「そのドレスかわいい〜♪
 で、この人がアナタの婚約者?」
「う、うん……」
レヴィアスをじーっと値踏みするように見上げる親友にアンジェリークは頬を染めながら頷いた。
「レヴィアスっていうの。
 レヴィアス……親友のレイチェルとレイチェルの婚約者のエルンストさん」
学校にもついていっていたので紹介されずとも知っていたが、一応初対面と言うことになる。
律儀に紹介するアンジェリークにレヴィアスも合わせることにした。
「レヴィアスだ」
「レイチェル・ハートよ。
 よろしくね」
続けてアンジェリークにだけ聞こえるように言った。
「ふーん、なかなかカッコいい人じゃない」
こそりと囁かれてアンジェリークはきょとんとする。
「アンジェ?」
「あ、ううん。なんでもない。
 レイチェルチェックをクリアしたなら嬉しいわ」 
「ま、ね。
 しっかりしてそうだし、アンジェのこと大事そうに見てるし。
 OKをあげまショウ」
芝居がかったように言うレイチェルとくすくす笑い合う。
「おめでとう。アンジェ。
 彼と一緒にあの屋敷を出るんだって?」
「ええ。私、お屋敷を出てやってみたいことがあってね。
 それに付き合ってくれるって言ってくれて」
「へー。ナニナニ?」
そしてアンジェリークはレイチェルに今後の計画を簡単に打ち明けた。
「ウソー? 本気で?」
「なんでレイチェルもレヴィアスと同じような反応するかなぁ……」
「だって意外すぎるよ。
 あー、でもアナタらしいっちゃアナタらしいかな」
普通に屋敷を出て婚約者の家に嫁ぐよりはらしいかもしれない、と思えてしまう。
「お店オープンしたら必ず行くからね。
 あ、あとちゃんと結婚式には呼んでよ?」
他の出席者に声をかけられ、あとでね、と手を振って離れる親友をアンジェリークは見送った。
「どうした?」
「ん……えーと……なんでもないよ。
 レヴィアス、何か飲む?
 あ、それともダンスのお相手してくれる?」
アンジェリークはふわりと微笑んで誤魔化すしかなかった。



世話になった教師やクラスメイト達と挨拶を終え、ワルツも踊って一通りパーティーを
楽しんだアンジェリークは目立たない壁際で一休みしていた。
どこかへ行っていたレヴィアスが戻ってくるのをぼんやり眺める。
光沢のある黒の正装を着こなしている長身。
漆黒の髪と白い肌と不思議な魅力を持つ金と翡翠の瞳とが引き立て合って文句のつけようがない。
(そっかー。
 レヴィアス……カッコいいんだよね)
言われて初めて気が付いた。
綺麗な人だと、素敵な人だとは分かっていたはずだけど……。
最初が最初だったせいか、あの妖精姿の可愛くて生意気なイメージが強かったから
男の人として意識したことなんてなかった。
それを理解したうえで彼を見てみれば、自分の鈍さに呆れてしまう。
彼はそこにいるだけで女性の視線を集めている。
きっとずっと隣にいた自分は羨望の眼差しを浴び続けていたことだろう。
「アンジェリーク?」
「レヴィアス……」
「やはり酔ったか?
 今、水を持ってきたから飲んでおけ」
「あ、ありがとう。
 これ取りに行ってたんだ……」
こくこくと飲み干して通りがかったボーイにグラスを渡す。
「う〜、そんなに飲んでないはずなんだけど……」
「弱いんだろう。これ以上は飲むなよ」
「うん……」
大人しく頷いて、そのままアンジェリークは黙り込んでしまった。
あれだけはしゃいでいたのに、と不思議に思ったレヴィアスは訊ねた。
「くっ、はしゃぎ疲れたか?
 それともアルコールを飲んで眠くなったか?」
「も〜、まるでレヴィアスったら子守りしてるみたい」
アンジェリークはくすくす笑って首を振った。
「大丈夫。眠くないよ。
 ちょっと考えてただけ」
「……何を考えていた?」
「成り行きでレヴィアスの婚約者になっちゃったけど……私なんか全然釣り合ってないなぁって。
 女の人みんな、レヴィアスのこと見てるよ」
なんだか居心地悪くなっちゃう、と苦笑する少女に面白くなさそうにレヴィアスは返した。
「気にしすぎだ。
 お前だって男共の視線を集めているくせに……」
「ウソだぁ〜」
「お前が気付かないだけだ」
レヴィアスがさりげなく威嚇していなければ、どれだけの人数がアンジェリークに
ダンスを申し込んできたかわからないだろう。
本音を言えば、これ以上誰の目にも触れさせたくなかった。
「あのね……」
少しの沈黙を経て壁に寄りかかっていたアンジェリークが話し始めた。
「……レイチェルに結婚式には呼んでね、て言われたんだけど……」
「ああ」
「一つ目の願いの延長で婚約者やってもらってるけれど……
 それっていつまでかな……。
 これも最後の願いを叶えるまで?」
「ああ……そういうことになるか」
彼の横顔を見上げると、レヴィアスは読めない表情で頷いた。
「だからレイチェルを結婚式に招待することなんて出来ないんだよね……。
 それだけじゃなくて……婚約者だったレヴィアスがいなくなった時、
 皆にどう説明したら良いんだろうって考えちゃって。
 やっぱり私、振られたことになっちゃうのかなぁって……」
それは寂しいなぁ……と苦笑する。
「なんでかな……。レヴィアスと一緒にパーティーに来て……。
 すごく楽しいのに……こんなことばっかり考えちゃう……」
レヴィアスは沈んだ表情のアンジェリークに何か言いかけたが、
一度躊躇い、別の言葉を口にした。
「我がいなくなる時、お前以外の者は我の事を忘れる。
 心配するな」
「そう……。それはレヴィアスも寂しいね」
せっかくレイチェル達にも紹介したのに……忘れられてしまうのかと思うと切ない。
こんなに注目される、自分にはもったいないほど素敵な人なのに。
「アンジェリーク……」
今にも零れ落ちそうな涙を拭うように左右の目元に何度も口付ける。
「こんなところで泣くなよ?」
「わ、分かってるもん」
「くっ……酔うと泣くタイプか?」
「酔ってなんかないもん」
意地悪な囁きに精一杯の強がりでなんとか涙を止めると彼が可笑しそうに首を傾げた。
「そうか?」
「レ、レヴィアス……もう泣いてないってば…。
 皆に見られちゃうよ」
柱の陰で目立たない場所だが……そこにいる二人はどちらも人の視線を集める人物なのである。
「かまわん。
 どうせ邪魔をするやつはいないだろう」
「レヴィアス〜……」
「見られてもどうせ忘れられるんだ。
 見せつけてやればいい……」
「っ……」
胸が軋むように痛む。
切なくて苦しくて……アンジェリークはレヴィアスを
押し止めようとしていた腕をその首にそっとまわした。
初めて触れた唇は温もりを感じる前に離れた。
緊張の吐息を零した瞬間、奪われるように再度塞がれて……息もさせてもらえない。
「ん……っ」
胸が苦しいのは酸素不足なせいなのか、想いが軋んでいるからなのか分からない。
ただ離れるのを恐れるように何度も何度も深さを角度を変えて繰り返した。
「悪い……酔ったのは我の方だったようだな」
立てなくなったアンジェリークを抱きかかえ、レヴィアスは自嘲気味に笑った。
上気した白い頬に触れて謝る彼にアンジェリークは瞳を伏せた。
謝って欲しくはないのに……。
アンジェリークはそんな思いは隠してレヴィアスに身体を預けて切なげに微笑んだ。
「もう、初めてだったんだからね……。
 罰としてこれからお酒は禁止」





疲れのせいか、アルコールのせいか、帰る頃には眠りこけていたアンジェリークを
レヴィアスは抱き運んで部屋へと連れ帰った。
「アンジェリーク、せめてドレスは脱げ」
「ん〜……明日ね……」
一向に起きる気配がないうえ、返された返事もまるでその気ナシ。
レヴィアスは自分のタイを緩めながら息を吐いた。
「まったく世話の焼ける……」
魔法で一瞬で着替えさせ、ベッドの中へと入れてやる。
レヴィアスも少女の脇に腰を下ろし、月明かりに照らされてすやすやと眠る無防備な寝顔を眺める。
「アンジェ……」
想いを伝えるかのように囁き、優しい指先が乱れた髪を直してやった。
「……レヴィアス」
一瞬起こしてしまったかと思ったが、ただの寝言だと分かると笑みが零れた。
しかし、金と翡翠の瞳に宿るのは苦しげな煌き。
髪を梳いていた指先が、まろやかな頬に触れ、桜色の唇をなぞる。
「アンジェ……今夜のことは忘れてくれ」
レヴィアスは心の中で詫びながら、そっと唇を重ねた。
室内はレヴィアスが魔法を使う際に生じる淡い光と月光に包まれていた。





                                    〜 to be continued 〜







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