すると突然、天から、激しい風が吹いて来るような響きが起こり、彼らのいた家全体に響き渡った。また、炎のような分かれた舌が現れて、ひとりひとりの上に留まった。（使徒の働き２章１節〜４節）
私たちに誕生日があるように、教会にも誕生日があります。教会の誕生日の様子について記述されているのが使徒の働き２章です。この箇所を見ますと、教会の誕生日はイエス・キリストが復活してから５０日後、昇天されてから１０日後のことです。
エルサレムのある家に、イエスの弟子たちをはじめ１２０名の仲間たちが集まっておりました。そこへ突然、家全体に大きな音が響きわたったのです。それはまるで嵐のように、激しい風が打ちつけて来たような音でした。同時に天から炎の形をした舌が現れ、ゆらめき、分かれてそこにいた一人一人の上に留まったのです。
このような現象と共に、キリストの霊である聖霊が天から弟子たちをはじめ１２０名の仲間たちが集まっている家に満ちて教会が誕生しました。このような歴史的出来事から教会は始まったのです。決して、人間の計画や手腕によって誕生したものではありませんでした。これは、旧約聖書の預言の成就なのです。実に教会は、上（神）から来ました。
教会が誕生するとどうでしょう。弟子たちは聖霊（キリストの霊）に満たされ、それぞれ他国の言葉で語り出しました。そこへ異様な物音を聞いた人々が集まってきました。彼らは、メソポタミヤ、エジプト、ローマなど世界の各地からエルサレムに来ていた人たちでした。そして、イエスの弟子たちが、それぞれ彼らの生まれ故郷の言葉を語っているのを聞いて驚き、あきれてしまいました。なぜならその弟子たちは無学な者たちで、人々を恐れて人知れず身を潜めていたような者たちだったからです。
その彼らが、大胆にも人々の前に立って、色々な国の言葉を語っているのです。使徒の働き２章１２節〜１３節を見ると、人々は驚き惑って「これはいったいこれはどういうことか」と言い、また、「彼らは甘い葡萄酒に酔っているのだ」と言ってあざける者もいた様子が記述されています。誰が見ても驚くべきことが起こったのです。
教会が誕生し、聖霊に満たされた弟子たちは、不安と恐れから解放されました。人々の評価からも解放されました。そして、自由にイエス・キリストの十字架と復活を大胆に語りだしたのです。この時のペテロの説教が、使徒の働きに記述されています。ペテロの説教を聞いた人々は、強く心に刺され、「私たちは、どうしたらよいのでしょうか」と尋ねました。するとペテロは「悔い改めなさい。そして、それぞれ罪を赦していただけるために、イエス・キリストの名によってバプテスマを受けなさい。そうすれば、賜物として聖霊を受けるでしょう」と答えました。
私たちは、日々の生活の中で不安や恐れ、人の評価に振り回されています。その中で、劣等感や優越感を作り上げています。そして、どこかビクビクした生活をしています。しかし、あの弟子たちは教会が誕生した時から聖霊に満たされ、不安や恐れから解放されて、大胆に十字架と復活の命を多くの人々に語る者となったのです。
教会の誕生は、あの弟子たちを変えました。私たちも、十字架と復活の命に与る時、一切のものから解放され自由になります。不安や恐れから解放されます。あなたも、あの弟子たちのように自由になりませんか。人々に十字架と復活の命を伝える者になるのです。それは、人々を豊かに生かす道なのです。